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FPが「iDeCo」について解説する!①デメリットも把握しておこう!!

  • 執筆者の写真: みらいへ
    みらいへ
  • 2月9日
  • 読了時間: 4分

資産運用としては、NISAと並んでiDeCoがよく推奨されていますね。掛金が所得控除となり、運用益が非課税になるというのが大きなメリットだと言われています。しかし、デメリットもありますので、その辺はよく理解して加入することをお勧めします。


iDeCoのデメリットその①元本割れ

まず、元本割れするリスクもあるということです。もちろん、投資対象を預金だけにすれば元本割れリスクは防げますが、今の預金利率ではとても投資運用をしているとはいえません。しかも60歳以上までお金を引き出せませんから、たとえば20歳で加入すれば40年満期の定期預金にしたようなもの。そんな長い定期預金をする人はいませんよね。


しかし、投資信託にすれば一定のリターンは期待できますが、反面元本割れするリスクもあるということです。つまり、老後資金としてせっかく貯めてきたお金が、貯めたお金より減るということがあるということです。

また、後で説明しますが、iDeCoには手数料がかかるということです。したがって、少しぐらいの運用益では手数料の方が高くなってしまうことがあるということもあります。


したがって、手数料も含めたリターンを考慮して投資対象を決めなければなりません。



iDeCoのデメリットその②手数料がある

iDeCoには次のような手数料が発生します。

①加入時の登録手数料 2,829円

②掛金納付の都度の手数料 171円

③運用商品(投資信託)の信託報酬 これは商品によってバラバラです。 

④給付の都度の手数料 440円


つまり、運用益が非課税ですが、その分手数料が引かれるということ。手数料は金融機関によって違いがありますので、トータル手数料がいくらくらいかを比べる必要がありますね。


iDeCoのデメリットその③原則として60歳以上にならないと引き出せないこと。

iDeCoは老後資金のためのものですから、原則として、途中で解約できません。

急にお金が必要になっても解約して引き出すことができません。また、掛金を払えなくなっても解約できませんので、最低掛金の5000円に減額するか、あるいは支払い停止の方法をとるしかありません。支払い停止中は非課税のメリットはなくなります。


したがって、生活に支障がない程度に掛金を抑えておく必要があります。



iDeCoのデメリットその④受け取り時に課税されてしまう。

iDeCoを受取る方法には、次の3通りがあります。

①年金として受け取る

②一時金として受け取る

③両者併用する(これについは、今回は省略します)


①年金として受け取る場合

この場合の課税関係は次のようになります。




つまり、国民年金や厚生年金といった公的年金とiDeCoの受取額を合わせた金額から、公的年金控除額を引いた残りに課税されます。iDeCoを受取るときにも全額が非課税になる、と誤解している人が多いので、ここは注意です!!


たとえば、令和2年度の厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、平均年金受給額は14万4366円になりますから、公的年金の年間受給額は、14万4366円×12か月=1,732,392円になります。


ところが、65歳以上で、この厚生年金だけの収入しかない場合を想定すると、公的年金控除額は110万円しかないために、すでに1,732,392円ー110万円=632,392円は課税されることになります。

したがって、これにiDeCoの受け取りがあると、その分は丸々課税されることになります。


iDeCo以外の年金が多い場合は、このようにかっ稅されることが考えられます。



②一時金として受け取る場合

この場合の課税関係は、次のようになります。一時金として受け取る場合には退職所得として扱われます。



退職所得控除額は次のように計算されます。

①20年以下 40万円×年数

②20年超  800万円+70万円×(年数-20年)

そして、(退職収入の合計金額ー退職所得控除)×1/2に課税されます。


たとえば、勤続年数が30年で退職金が2500万円、iDeCoが25年で1300万円とした場合に、両方を同時に受け取ると、

・合計収入額 2500万円+1300万円=3800万円

・退職所得控除 800万円+70万円×(30年―20年)=1500万円 

※勤続年数とiDeCoの年数の内長い方を採用します。したがって、(3800万円ー1500万円)×1/2=1150万円に課税されます。


ただ、これについては、同時に受け取らないなどの対策が考えられますが、いずれにせよ税金が課せられることには変わりはありません。


まとめ

ほかにもまだ細かいところのデメリットはありますが、大きなところでは、これらのような点が挙げられます。

ただ、このiDeCoの目的は老後資産をつくることにあり、投資運用が本来の目的ではありません。

非課税というだけで単純に始めるのではなく、デメリットをよく考えて自分の将来設計にそった運用をすることが期待されます。


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